エヴァン・ソルタス「名目GDP目標ってなんだ? 完全しろうと向けのNGDP目標ガイド 」

[Evan Soltas, “What Is NGDP Targeting? A complete layman’s guide to NGDP targeting,” May 5, 2012; 翻訳のPDFはこちら

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この1月にブログをはじめたとき,最初の投稿であれこれと「ミッション・ステートメント」を書いた.読者のみんなに,「経済学の学術的な方面で起きてる発展の最新状況,たとえばわき起こってきてる論争や画期的な研究」をお知らせしていく,と約束しておいた.それに,無味乾燥にならないようにつとめるとも宣誓したし,使うと便利な場合にはジャーゴンを説明付きで導入するよ,とも誓った.この2つの目的には緊張関係がある.もしかすると,これは避けられないものかもしれない.それでも,回避しようとがんばってみるだけの甲斐はあるはずだ――というわけで,今日は経済学で最重要な新しい「ビッグ・アイディア」の1つを学術業界のもやもやした雲のなかから取りだしてきて,しろうとの手が届くところにもってくるとしよう.


そのビッグ・アイディアっていうのは,NGDP目標だ.このブログでも前に論じたことがある――ここを参照――けれど,これまで書いた文章はみんな学術的な考え方としてこれにアプローチしていたし,読者がある程度まで基本的な概念に親しんでいると想定していた.ぼくはこのNGDP目標って考え方を信じていて,実行に移されるべきだと思っている.この目的のためには,どうやら,学術業界を超えた読者にまでこの考え方とその長所を解説するのが最善みたいだ.

基本的な考え方はこうだ――「連邦準備制度 (Federal Reserve) は,その経済を安定化させる力を使って,安定した予測できる経路から名目国内総生産が外れることなく成長するようにすべき」 このたった1文に,たくさんのことが詰まっている.この文章では,みんなに次の3点を理解してもらう助けをしよう.(1) 背景となる概念,(2) NGDP目標そのものの概念,(3) この政策の長所.

背景となる概念 The background concepts

Fed がどういうもので,どんな目標をもっていて,金融政策をどう設定・実施していて,金融政策が経済にどう影響をおよぼし,名目GDPがどんなものなのか,すでにご存じならこのセクションは飛ばしてしまってかまわない.

連邦準備制度(略して “the Fed”)は,アメリカ合衆国の中央銀行制度だ.この制度には,国の金融政策を設定・実施することがゆだねられている.アメリカ議会が決定する財政政策とともに,金融政策は貨幣の供給を使って景気循環の波をこえて経済を安定させる助けにする(景気循環とは,経済の「景気と不景気」のパターンだ).Fed と金融政策についてなにもかも述べるのは,この投稿でできる範囲をこえてしまう.ただ,1点述べておくと,1978年のハンフリー=ホーキンス法 (Humphrey-Hawkins Act) 以来,Fed には2つの目標がある.経済学者は,これを「二重の責務」と呼ぶ:持続可能な最大限度の雇用水準を維持し,かつ,物価安定を維持すること,この2つだ.実践の上では,これにともなって,Fed は年間のインフレ率すなわち物価上昇を2パーセントに狙い定めて政策を実施してきた.Fed は,おうおうにして景気後退から生じる失業率の大幅増加防止を模索すると同時に,失業率が下がりすぎてインフレが上昇するのも防ごうとつとめる.後者のシナリオは,経済の景気が「加熱しすぎ」なときに起こる.

Fed は,フェデラルファンド金利の目標をのぞましい水準に設定して金融政策を実施する.フェデラルファンド金利とは,法で求められている銀行準備金の水準を満たすために,主要銀行が一夜だけ互いに資金を融通する際の金利だ.Fed は,短期国債を公開市場で売買して,この金利を動かす.短期国債 (treasurey bill; T-bill) は,アメリカ連邦政府の債券だ――短期国債を売ると,Fed は銀行準備金の供給を縮小することになり,準備金はいっそうとぼしくなる.すると,銀行は他の銀行に貸出すにあたって,金利をもっと高くするようになる.Fed がどうしてこんなことをするかと言うと,フェデラルファンド金利が「基準金利」としてはたらくからだ.この基準金利をもとに,市場で他の金利が決定される.フェデラルファンド金利が上がると,銀行準備金の供給が下がり,住宅ローンや自動車ローンをはじめ,現代アメリカ経済に存在する他のありとあらゆるかたちの債務にかかる金利が上がる.そうした金利が上がると,貸し付け・投資・支出など経済活動全般が減速する.したがって,フェデラルファンド金利は,インフレと失業率がのぞましい水準をこえてしまうのを Fed が防ぐためのツールになっているわけだ.

名目国内総生産 (NGDP) は,合衆国経済でなされたすべての支出の合計で,キミやぼくが使ってるドルで測られる.もっと専門的に言うと,NGDP とは,正式な取引で購入された最終的な財・サービスぜんぶの市場価値のことだ.NGDP について,べつの角度から考えるなら,産出された財・サービスぜんぶをその数量でかぞえて合計し(これを経済学者は「実質GDP」と呼ぶ),さらに物価(「物価指標」または「デフレータ」)を掛けたものだと見てもいい.このように,NGDP は,「実質」の変数と「名目」の変数が組み合わさっている.実質の変数は,実際に産出されたものを測るものであり,名目の変数は実際の産出ではなく物価を考慮するものだ.Fed の仕組みと同じく,この GDP 会計の仕組みもややこしくて,本稿ではとりあげない.ただ,NGDP を概念として理解しておくのが重要だ.

NGDP目標とは何か,どう機能するのか? What is NGDP targeting, and how would it work?

NGDP目標は,NGDP が成長する経路を Fed に決めさせ,その実現に向けて Fed の金融政策ツールを使う.

その骨子を言えば,Fed はのぞましいインフレ率と現実の産出の歴史上の成長率を合計したものを反映する成長率を選び出すんだ.合衆国の場合,この水準は年率5パーセントの近傍にある――2パーセントのインフレ率と,3パーセントの実質成長率だ.そうなると,Fed は目標をフェデラルファンド金利から NGDP に変更することになる.

いろんな議論のなかには,NGDP目標から,NGDP の初期水準が含意されるというものもある.その初期水準から,一定の率でNGDPが成長していく,というわけだ.そうしたシナリオでは,Fed は金融政策ツールキットを使ってその初期水準に到達し,そこから進捗していく,ということになる.
NGDP を目指すにあたって,Fed が利用できるツールはいろいろある.実際には,手持ちのツール以外に手を出す必要はないかもしれない――「背景」セクションの第2パラグラフで述べたように,公開市場で短期国債を売り買いして,通例どおりの金融政策の波及メカニズムをとおして経済に影響をおよぼせばすむかもしれない.

経済学者のなかには,こう主張する人たちもいる――トレーダーたちが「NGDP先物」を売買できる市場を,Fed がつくるべきだ.NGDP先物とは,市場参加者たちがこうなると予想するNGDP成長によって価格が決まる証券だ.同様の先物市場は,実生活にちゃんと存在してる:石油の先物市場,トウモロコシやお米といった農産物の先物市場などなど.この市場で先物を売買することで,Fed はNGDP成長の予想を設定できる――先物市場が低い NGDP 成長を予測したときには,Fed は先物を購入して,予測を目標水準へ引き上げてやればいい.

経済学では,予想は自己成就する傾向がある.経済が一定のペースで成長するとみんなが予想しているときには,その予測に沿って,みんなは支出したり人を雇ったりお金を借り入れたりする.すると,みんなの予測が現実となるわけだ.したがって,NGDP先物市場があれば,NGDP成長の予想を Fed が設定する助けとなるばかりでなく,この予想のチャンネルをとおして,NGDP を実際にその率で成長させることになる.

NGDP目標の長所 The virtues of NGDP targeting

じゃあ,どうして経済学者たちは積極的にNGDP目標の考え方を論じているんだろう? こうした政策の方がいまの政策よりすぐれていると言っている人たちが展開する主な論証はどんなものなんだろう?

NGDP目標を支持する主な論証でぼくが知っているものはいくつかある.第一に,NGDP目標は,総需要の減少で引き起こされるたいていの景気後退を防いでくれる.第二に,NGDP目標は景気後退に対抗する政策に Fed の信用性を背反させず,これに合致させる.第三に,たとえば石油供給の急減といった実質の変数へのショックで引き起こされる景気後退に,NGDP目標の方がうまく対処できる.第四に,NGDP目標はプラスの実質ショックにうまく対応できる――つまり,予想より急速に生産性が向上したときに起こりうる,総供給を増やすショックにうまく対応できる.第五に,フェデラルファンド金利を「ゼロ下限」以下に下げられなくなったときに,伝統的な政策手段の観点では「弾切れ」になって,Fed が無力に陥ってしまうのを,NGDP目標なら回避できる.第六に,総需要の安定化は,リスクをいやがる企業が生産を拡張する限界投資をできるようになるという点で,長期の実質成長を高めることにつながる.以下,この6点をもっと掘り下げて見ていこう.
【1点目,NGDP目標は大半の景気後退を防いでくれる.】 大半の景気後退は「名目的」なものだ――つまり,「実質」の変数がいきなり変化して引き起こされているわけではない.たとえば,利用できる資源だとか,それを生産的に利用するぼくらの能力がいきなり変化して景気後退に入っているわけじゃあない.景気後退が起こるのは,総需要が減少したり,あるいはむしろ,将来需要の予想が下がったためだ.総需要とは,お金を使おうとする個々人の意志決定の総和をいう.これはつまり,Fed が将来需要の安定した予想を維持すれば,名目の景気後退は起こらない,ということだ.名目の景気後退が起こらないときには,景気後退から生じる高くつくコスト――失業・低産出・政府債務などなど――もまったく起こらない.

【2点目,NGDP目標は,景気後退に対抗する政策に,Fed の信用性を背反させず,これに合致させる.】 経済学者が中央銀行の「信用性」を語るのはなぜかと言うと,この信用性が強固なら,中央銀行が市場の予想に行使できる制御も強まるからだ.信用性の低い中央銀行は,みずからがある事態をのぞんでいることを「証明」しなくてはならない.なぜなら,その事態が起こるだろうと市場が信じなかったら,政策に市場の予想を合致させることでその事態が実現されることがないからだ.たとえば,信用性の低い中央銀行が高インフレを終わらせようとのぞんでいるとしよう.このとき,この中央銀行は,経済が景気後退にまで落ち込み望ましい低率でインフレ率が「リセット」されるほど急激に,需要を押し下げることで,これを「証明」しなくてはならない.信用性が高い中央銀行なら,景気後退に陥ることなく,たんに予測をより高く/低く調節することができる――1980年代にポール・ヴォルカーがやったことのあらすじは,まさにそういうものだった.このように,信用性が低いと,中央銀行はコストが高くつく行動をとる必要がでてきてしまう.このため,たとえそうすることが経済にとって「よりよいこと」であったとしても,中央銀行はみずからの信用性を危険にさらしかねない行動をとりたがらないことがよくある.この点で,Fed のインフレ目標はまずい政策だ.なぜなら,景気後退に直面して総需要を支えたいとがのぞむたびに,Fed はインフレを目標以上に進ませて,それによってみずからの信用性を傷つけるリスクをおかすことになるからだ.その点,NGDP目標はよりよい政策となる.なぜなら,実質の成長が落ち込み,経済が景気後退に陥ったとき,Fed がとる「デフォルト」の政策は――すなわち,みずからの信用性を保持するためにとる政策は――インフレ率を上げて総需要を支える,という政策になるからだ.こうして「デフォルト」の選択肢を変えることによって,Fed のインセンティブは,経済を犠牲にしてみずからの信用性をまもるのではなくて不必要なコストから経済をまもることにおかれるようになる.

【3点目,NGDP目標は,実質のショックで引き起こされる景気後退によりよく対処できる.】 実質のショック,つまり,利用できる資源やぼくらの生産性の変化は,金融政策の産物ではない.そうしたショックは,地政学的な不確実性(石油)だとか,不作な気候不順(トウモロコシやお米)といった,連邦準備制度理事会の議長ベン・バーナンキが「それほど神じゃない」ことを踏まえれば Fed には防ぎようのない理由で生じる.しかし,金融政策は実質ショックの事態に対処するにあたって,いい方法もわるい方法もとれる.よく計画を練った方法でも対処できるし,おそまつに計画した方法でも対処できる――この点は,ちょうど,いきなり足のけがにみまわれたときに,よりはやく治癒するように(たとえば氷で冷やしたりストレッチしたり理学療法を受けたりして)対処することもできるし,逆に治癒がおそくなるように(たとえばマラソンを走ったりして)対処することもできるのと同様だ.NGDP目標は,実質ショックに対する最良の政策対応を提供する.なぜなら,実質ショックは総供給を減らし,物価を上昇させ実質の産出を減少させるからだ――そして,NGDP目標は要するに物価に実質の産出をかけたものを考慮するので,需要が安定したままなら ,実質ショックでNGDPが変わることはないからだ.ようするに,NGDP目標は実質のショックと名目のショックを区別できる――そして,NGDP目標は,それぞれのショックに最適な対応がとれるのだ.これと比べて,実質のショックはインフレ目標の信用性にとって「脅威」となる.なぜなら,物価は上昇「したがる」ので,インフレ目標を強化するためには実質の産出を減らすことが必要になり,そうすると経済を景気後退に落とし込むことになるからだ――すでに供給ショックで苦しんでいるときに.

【4点目,NGDP目標なら,プラスの実質ショックによりよく対処できる.】 とはいえ,実質ショックはいつでも資源の供給や生産性を減少させるとはかぎらない――ときとして,このどちらかを増加させることもある.たとえば,コンピュータが職場に導入されて,90年代後半に生産性の成長率は大幅にのびた.これはほぼ確実にいいことだったけれど,金融政策の一部の形式にとっては問題となる.なぜなら,これはインフレを下げるはたらきをするからだ.インフレ目標をとっているとき,たとえ経済がすでに実質の観点で見て過熱していたとしても,中央銀行はインフレ率を上げるために緩和政策を余儀なくされる.これは危険だ.なぜなら,理由3の説明とこのことが組み合わさって,インフレ目標は景気過熱を増大させて,実質ショックに直面して経済を(安定化するどころか)はじけさせる傾向がでてくるからだ.他方,NGDP目標なら,生産性の向上に最適な対応がとれる:総供給の増加は産出を増加させ物価を下落させるので,需要が不変ならNGDPは変化せず,そのため,NGDP目標は景気過熱の程度を制限し,資産価格バブルの発生をふせぐことになる.プラスとマイナスそれぞれの実質ショックどちらにおいても,そこで起こるのは,NGDP目標内での実質成長と名目成長のバランスの変化だ――しかし,政策は経済の安定という最終的な目標に反する対応を余儀なくされることがない.

【5点目,NGDP目標はゼロ下限の問題を回避する.】 金利を設定するとき,中央銀行は景気後退において問題に行き当たることがある.なぜなら,「名目」の金利はゼロより下に設定できないからだ.たとえ安定に復帰するために「経済が必要とすること」であろうと,名目金利はゼロより下にできない――これが,「ゼロ下限」問題だ.そして,これは深い景気後退においていちばん起こりそうなことであり――そう,今日,ぼくらはゼロ下限に直面している.これはつまり,金融政策は,いちばん必要とされているときに役立たずになってしまう,ということだ.経済学者のスコット・サムナーがかつて言った鮮明な喩えのとおり,これはちょうど,タイタニック号が氷山に衝突したまさにそのときに,救命ボートをなくしてしまうようなものだ.NGDP目標はゼロ下限問題を解決できる.なぜなら,現実に景気後退が起きたときには,中央銀行はインフレ率を上げることになり,すると,それによって効果的に「実質」金利(すなわち金利-インフレ率)を切り下げつつ,「名目」金利はゼロ下限に押し下げずにすむからだ.

【6点目,企業が「リスク忌避」であるとき――つまり,高リスク・高報酬のシナリオよりも低リスク・低報酬のシナリオを企業が体系的に選好しているとき――NGDP目標はより高い長期の成長率につながる.】 (これがぼく自身の提示しているNGDP目標支持の論証だ.) アメリカ企業はリスク忌避的であり,これはそれ自体でわるいことだと経済学者たちは信じている.でも,リスク忌避的だからといって,名目的な不安定性が長期的に実質のコストをもたらすということにはならない.言い換えると,経済が絶え間なくNGDPの増減を繰り返しているとき,ぼくが企業を運営しているなら,ぼくの投資は経済がもっと安定して成長しているときほど多くはならない.なぜなら,かりに投資したとして(たとえば新しい店舗を構えたとして),そこに景気後退がやってくると,ぼくの投資は価値を失ってしまうからだ.さて,この考察を一企業から経済全体にまで拡張してみよう:NGDP成長が不安定なとき,企業の投資は少なくなる――工場が買い入れる機械は少なくなり,承認が開く店舗は少なくなり,企業が雇用し訓練する従業員も少なくなる,etc. ――そして,このことにより,長期的に経済の成長は遅くなってしまう.なぜなら,生産性の伸びが遅くなってしまうからだ.その逆に,NGDP目標が達成するだろう安定したNGDP成長のもとでは,長期的な実質成長率は高くなる.企業が投資する際のリスク忌避傾向のゆえに,そうなるんだ.

NGDP目標に関する文献とソース

Bennett McCallum, “NGDP Targeting.”
Nick Rowe on the blog “Worthwhile Canadian Initiative.”
Scott Sumner, “Re-Targeting the Fed.”
(こちらも参照: スコット・サムナーのブログ “The Money Illusion,” と彼のレポート “The Case for NGDP Targeting“)
The Economist, “Changing target.”
(こちらも参照:『The Economist』誌の “Free Exchange” ブログ)
Christina Romer, “Dear Ben: It’s Time for Your Volcker Moment.”
David Beckworth’s blog, “Macro and Other Market Musings
Matt O’Brien, “A Rebellion at the Federal Reserve?
さらに他のソースについてはこちら

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  1. NGDP目標のアイディアは確かに優れていると思います。問題は中央銀行がどうやってそれを達成・コントロールするかですね。NGDP先物市場もあればよいとは思いますが、「NGDP先物市場があれば,NGDP成長の予想を Fed が設定する助けとなるばかりでなく,この予想のチャンネルをとおして,NGDP を実際にその率で成長させることになる.」というあたりは、NGDP目標政策を門外漢の私には、「寒い日には温度計を温めれば、気温が上がる」と聞こえます。 予想のチャネルを通して、とはいっても中銀が実際にNGDPを動かせるという予想がまずなければ、NGDP先物市場の外の実際のNGDPが動くように思えないのですが。

  2. NGDP先物市場という温度計が示すのは現在の温度ではなく、市場が予想する将来の温度では。みんなが天気予報を見ながら一日の行動を決めるように、NGDP先物市場を見ながら現在の行動を決めていくことによってNGDP目標は結果として自己実現する、ということになるのだろうか。

    1. 先物ですから、将来の温度を示すことは分かります。 株式とその先物市場の場合、その規模が近いため、裁定機会解消を通じて、先物価格が現物市場に大きく影響しますが、 NGDP先物市場を創設した場合、よほど取引規模を大きくしないことには現物に相当するNGDPを牽引できないのはないでしょうか。 中銀がNGDP期待値を実現するため、財政ファイナンスをはじめ、手段を選ばないとすれば、確かに目標は実現可能かと思います。 でもその場合にはNGDP先物市場が意味を持つのかどうか。

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