タイラー・コーエン「どうしてみんながメディアをあんなにきらうのか」

[Tyler Cowen, “Why do people hate the media so much?” Marginal Revolution, September 19, 2016]

気づいてたかな?

ぼくは単純な仮説を考えてる.「我々の仕事はこういうものだ」とメディアがどう説明しようと,実際にメディアのどんなところに視聴者の関心が向けられているかと言えば,メディアの流す記事や番組で特定個人の地位がどう上がったり下がったりするかってところだ.(「政治は政策問題じゃない」ってのとちょっと似てる.) それは,このブログにも当てはまる.もっとも,もちろん,そんなことをぼくが直接に意図したことはないけれど

ともあれ,こう考えてみると,どうしてみんながメディアにむかつくのかわかる.特定のメディアソースが暗示する個々人の地位ランキングが自分のランキングと一致することなんてけっしてないし,大違いって場合もよくある.メディアと自分のランキングが合致して忘れられないほどいい気分になる場合よりも,メディアがほのめかす地位ランキングに恨みを抱く場合の方が多い.

ようするに,(一部の)メディアはこちらの地位ランキングを四六時中ずっと罵倒してるわけだ.さらには,「メディアはぼくを罵倒してる」とすら言う人もいるかもしれない.実はそれこそ,他の人たちがそのメディアソースを楽しんでいる理由だ.なぜって,その人の地位やその人の仲間たちの地位が下げられてるのを楽しんでいるのだから.ちょうど,メディアっていうパイをそいつの顔面に投げつけてるようなものだ.

そのかわりに,投げつけられてる側はメディアを恨む.

手頃な経験則として,もしもメディアに対する恨みが「たくさんある」なら,きっとその人は政治について考えるときに他にもたくさん感情面の失敗をしているはずだ.

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