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タイラー・コーエン「コロナウイルスによって進歩派左翼は死んだ」

Tyler Cowen  “The Coronavirus Killed the Progressive LeftMarginal Revolution, March 20, 2020

タイトルは僕の最新のBloombergコラムのトピックから。もちろん釣りタイトルなんだけど,糸の先に付いてる餌は真実だ。以下はそこからちょこちょこ抜粋したもの。

― 進歩派左翼の平等主義もまた,おぼろげな記憶のようになるだろう。エリートは自分に害がないときであればたいてい富の再分配を支持するし,実際にカリフォルニアや北東部の海岸沿いの金持ちエリートは進歩主義運動の屋台骨となっている。しかし,こうした人々が自身の生活や職業が脅かされていると感じる,あるいは彼らの子供たちの未来が突如として安泰ではないように思われてしまうと,再分配はそんな魅力的な理想ではなくなってしまうだろう…

― 大量輸送手段の論拠もまた弱まることだろう。地下鉄やバスは新型コロナ感染の恐怖と結びつくことになるからだ。それと似たような形でNIMBYの勢力がYIMBYのそれよりも強まることだろう1 。周囲から離れた郊外の家で守られて住む人のほうが,過密に詰め込まれた都市部の集合住宅に住むよりもストレスが少ないからだ。

― 医療分野の一部では政府の介入が今よりもずっと増えることになると思われるが,それは病院のベッドや人工呼吸器という数の限られたものへの集中や,気の重い患者選別(トリアージ)の実施であって,普遍的な医療カバレッジに向けた慈善活動ではない。

―気候変動対策運動ももうひとつの犠牲者となりそうだ。最近グレタ・トゥーンベリについてどれだけ耳にしただろうか。気候に関する懸念もまた,安全で正常な時期のぜいたく品のように見られることになろうだろう。それに加え,一連の新型コロナ対策の努力が気候変動対策運動にとって確実に好都合であるとは限らない。新型コロナとの戦いが突如として好転したら(おそらくは非常に素早く効くワクチンとかで?),アメリカ人は同じことが気候変動でも起こることを期待するようになるかもしれない。

リンク先ではもっと色々な話をしている。もちろんながら一部の読者にとっては大いに気に入らないものだろう。それに,サンダースとウォーレンが大勢の有権者の心を真に掴むことがなかったのは周知のとおりだけど,それは基本的に新型コロナが問題になる前の出来事だ。

  1. 訳注;NIMBY(Not In My BackYard)とそのカウンターとしてのYIMBY(Yes In My BackYard )の略で,ここでは既存の居住区の住宅密度を高めるための住宅建設を巡る対立を指している。概要はoptical frog氏訳の過去記事を参照。 []

Comments

  1. 誤記修正お願いします。
    「公害の家」→「郊外の家」

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