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タイラー・コーエン「(特に日本の)経済学者はイデオロギーバイアスがあって権威に弱い?」

Tyler Cowen “Ideological bias and argument from authority among economists” Marginal Revolution, September 5, 2019 


と,いうのがモフセン・ジャブダーニとハジュン・チャンの新論文のテーマだ。以下は論文要旨からの抜粋。

19か国の経済学者に対してオンラインでのランダム化対照実験を行うことで,我々は経済学者たちの見解に対するイデオロギーバイアスの効果を検証した。我々は参加者に対して様々なテーマに関する有力な経済学者の言説を評価するよう求めるとともに,それぞれの言説の主張者の名前は参加者に知らせずにランダムに割り振った。各言説について,参加者は主流派経済学者の名前,イデオロギーの異なる非主流派ないしは主流派色の薄い経済学者の名前,名前なしのいずれかを提示された。我々は,イデオロギーの異なる非主流派ないしは主流派色の薄い経済学者の名前や,名前がないことが,言説に対して経済学者たちが同意を示すのを有意に減少させることを見出した。これは経済学者たちが自らに抱いているイメージとは相反する

以下は論文の本文内から

我々の全体的な発見と整合的であることに,我々は3つの例外を除く全ての言説について,イデオロギーの異なる非主流派ないしは主流派色の薄い経済学者のものであるとすることが同意の水準を有意に減少させることを見出した。推定減少幅は標準偏差の10分の1から2分の1にわたる。

もっとも同意が少なくなるのは次の一文に対してだ

「経済的な主張はいかなる種類―口頭のもの,数学的なもの,計量経済学―であってもレトリックである。すなわち,説得のための試みである。」

どのような権威の名前を付けると同意水準が変わるかを試すのも一案だ。以下も注目。

我々は,女性経済学者らにおける推定イデオロギーバイアスは男性経済学者たちのそれよりも約40%低いことを見出した。

経済学者たちが最も高いイデオロギーバイアスを示した国は,アイルランド,日本,オーストラリアとスカンジナヴィア諸国で,オーストリア,ブラジル,イタリアではイデオロギーバイアスが最も小さかった。南アフリカ,フランス,イタリアは主流派的見解への同意が最も多かった。

この論文は冗長で書き方が下手な上,著者たちは権威への恭順はおそらく合理的なベイズ的戦略であって,その逆ではないという可能性を考慮していない。それでもこの論文にはおもしろい結果がたくさん含まれている。論文に関する著者たちのブログ記事はこちら。


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