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ブランコ・ミラノヴィッチ 「史上最も狡猾な敵」(2020年3月14日)

●Branko Milanovic, “The most insidious enemy”(globalinequality, March 14, 2020)


戦争よりも始末が悪い敵。そいつ(新型コロナウイルス)のせいで犠牲になる人の数は、戦争で犠牲になる人の数よりも少ないとしてもだ。

戦争よりも始末が悪いのはなぜか? 戦争では、線引きがはっきりとしているからだ。微塵も疑ったことがない隣人が敵になる。戦争では、そういうことがあり得る。しかし、両親が敵になることはない。兄弟姉妹が敵になることはない。我が子が敵になることはない。配偶者が敵になることはない。

そいつは、他人を愛する人を襲う。

そいつは、友を欲する人の命を奪う。世話好きの命を奪う。団欒(だんらん)好きの命を奪う。

そいつから逃れて平和に生きるためには、この世界から自分を切り離すしかない。孤独で氷のように冷たい世界に閉じこもって、そこから二度と出てこないでいられるだけの強い意志と冷淡さを持つしかない。

そいつの「目的」は、社会を破壊すること。

そいつの「目的」は、あなたを生かすために命も惜しまない人にあなたの命を奪わせること。


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