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ラルス・クリステンセン 「サマーズ辞退の金融緩和効果」(2013年9月16日)

●Lars Christensen, “Chuck Norris is back in the running”(The Market Monetarist, September 16, 2013)


ジョセフ・スティグリッツ(Joseph Stiglitz)に同意することなんてほとんどないのだが、彼と同じく、バーナンキFRB議長の後任にローレンス・サマーズ(Lawrence Summers)を指名するのは間違いだと私もかねてから考えていた。そのため、サマーズが次期FRB議長の指名レースから自ら降りる意向を示したというニュースを聞いて、スティグリッツも私と同様に喜んでいることだろう。

オバマ大統領に宛てた手紙の中で、サマーズは次のように述べている。

拝啓

親愛なる大統領閣下

今回こうして手紙をしたためさせていただいたのは、FRBの次期議長候補から、私のことを外していただきたいとの意向をお伝えするためです。

あなたが大統領に就任された当初、我が国は、深刻な景気後退に陥っていました。そのような厳しい状況の中、あなたはリーダーシップを発揮して、雇用の促進と、中産階級の支援を目指した、一連の政策を取りまとめられました。その政策のおかげで、我が国には、持続的な景気回復がもたらされることになりました。政権発足当初から、あなたの近くで、経済の難しい舵取りの仕事にともに取り組むことができ、私としては大変光栄に感じる次第です。

現在、我が国は複雑な状況に置かれています。仮に私が次期FRB議長候補に指名されて、議会での承認を受けるとなると、その過程では、辛辣な議論が巻き起こされるのではないかと予想されます。そうなることは、FRBだけではなく、大統領率いる現政権、そして我が国の経済の今後にとっても、利益にならないだろうとの結論に不本意ながらも至った次第です。

現在のあなたは、経済的な繁栄が幅広い層に行き渡るように試みられている最中です。加えて、あなたが2009年に大統領に就任した際に直面したような事態に、将来の大統領が二度と煩わされないでも済むように、金融システムの改革に取り組まれている最中でもあります。それもこれも、我が国の経済の基盤を一層強化しようとの思いからです。今後とも何らかのかたちで、そのような大統領の努力を引き続き支えることができますことを楽しみにしております。

敬具

ローレンス・サマーズ

このニュースを受けて、マーケットはどのような反応を見せただろうか? 株価は上昇し、ドルは下落し(ドル安に振れ)、各種金利は低下した。言い換えると、先週の金曜日と比べて、アメリカでは一層の金融緩和が進んだわけである。

つまりは、サマーズは、次期FRB議長候補レースから自ら降りる決断を下したことで、一層の「持続的な景気回復」と、一層の「雇用の促進」につながるような効果を生み出したわけだ。私がそう判断しているわけじゃない。マーケットがそう判断しているのだ。

チャック・ノリスに手出ししちゃいけないよ、というわけだ。


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