2030年1月に(個人消費支出)物価水準は 135.207 になるわけだ.あるいは,少なくとも,そうならなきゃいけない.
パウエルが言うには,べつに厳密な数式はないらしい.でも,市場や評論家筋が連銀に説明責任をもたせるのはごく自明に思える.人々はよく10年区切りで物事を考える.さて,今回の政策が公表されたのは2020年だ.すると,これは2020年代をとおしてインフレ率を平均で 2% 以上にするというコミットメントだと市場が考えるのは自然なことだろう.個人消費支出の水準〔2012年の個人消費支出を 100とした指標〕は,今年1月に 110.917 だったから,2030年1月には 135 近辺になってる必要がある.少しばかり 135 から外れるのは問題にならないだろうけれど,大きく外してしまうのは(たとえばインフレ率が 1.8%~2.2% の範囲を外れてしまうのは)政策の失敗だと考えられるだろう.そうなれば,連銀は信用を失うだろう.
[Scott Sumner, “The (PCE) price level will be 135.207 in January 2030,” TheMoneyIllusion, August 27, 2020]
0 comments