タイラー・コーエン「どんな寄付をすればよいの?」

Tyler Cowen “How to choose a charity” (Marginal Revolution, December 1, 2005)

このブログの読者であるジェフリー・ドラッカーがこんな質問をしてきた。

僕はあと数週間で大学を卒業して、現実の世界へと足を踏み入れるところです。つまり、僕はサラリーマンになって、全ての予算決定を自分自身ですることになるということです。支出、貯蓄、学生ローンの返済という必要な要素の他に、僕は自分の稼ぎの一部分を寄付したいと考えています。僕はつねづね、慈善行為はあらゆる博愛的なリバタリアンの精神にとって欠かせない要素だとおもってきました。今や僕は自分自身のお金を支出することができるようになるので、慈善行為について何らかの経済的な考察を頂ければと考えています。

明らかに、寄付をするという決定は、個人的な考えや様々な組織の相対的な利点の評価に基づくものです。しかし経済学的に考えた場合、幅広く多数の立派な理念に寄付するのが賢明なのでしょうか。それとも一つだけに支援を絞るのがよいのでしょうか。僕は身の回りの問題に焦点を当てるべきなのでしょうか。それとも世界で最も必要とされるものにするべきでしょうか。僕の所得のうちどれだけの割合を寄付するのが合理的でしょうか。その際どのようなことを考慮すべきでしょうか(投資機会の価値や生涯における消費などでしょうか)。

政治や学術目的の非営利は脇に置くことにして、ここでは純粋に慈善的な寄付についてのいくつかの原則を描いてみよう。

1.予算内おける事業本体と資金集め活動の支出比率に関する公開情報はあてにはならない。多くの慈善活動はデータを操作する。

2.無視されているが長年くすぶり続けてる問題に考えを向けよう。今起こったばかりの危機に焦点を当てるべきかについては、私の過去の分析を読んでほしい

3.慈善事業に十分な寄付をする人はほとんどいないし、君もその例外じゃない。自分が熱中するするだろう理念をひとつないし複数選んでみよう。その理念から逃げることはないと誰かに言ってみるといい。自分の体面を汚すことになるから。

4.私が好むやり方は、ウェスタンユニオンによって直接に地方メキシコ人に純粋に現金を贈ることだ。税額控除は得られないけれど、作業にかかる費用は非常に低い。ウェスタンユニオンを営利目的の慈善事業と考えよう。

5.現物支給による援助は経済学者には非効率なものに見えるけれど、それへの献身によって自分が幸せになることもある。自分の時間のほとんどを無駄にしているのではあるけれども。

6.物乞いにお金をあげてはいけない。その理由はここ

その他の助言があればコメント欄に書いてもらえるとありがたい。分析上の原則は特に歓迎する。

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