ダニエル・カーネマン,オリヴィエ・シボニー,キャス・サンスティーンによる新著が出るよ.ここで言う「ノイズ」とは,バイアスとはちがう新しい主要問題のことだ.一箇所,抜粋しよう:
(…)とある資産運用会社の上級役員たちにぼくらの発見をあれこれと紹介したことがある.そのときに,「自社独自に,説明ノイズの監査を実施してみてはどうですか」と提案した.そこで,その会社では,とある株式の適正価格を推定するよう社内の熟練投資家42人に依頼した(適正価格とは,投資家たちが売るのにも買うのにも関心をもたない価格のことだ).投資家たちが分析にあたって使ったのは,その会社を説明したペラ1枚の資料だった.そこに載っていたデータは,こういうものだった――単純化された利益と損失,バランスシート,過去3年間のキャッシュフローと今後2年間の予測.保険会社と同じ方法で計測されたノイズの中央値は,41% だった.同じ企業にいて同じ評価手法を用いているのに,投資家どうしでこれほど大きな差があるなんて,いいニュースのわけがない.
近いうちに,この本を紹介するつもりだ.予約はこちらからできる〔日本のAmazonのページはこちら〕.あと,ティム・ハーフォードがカーネマンと『フィナンシャル・タイムズ』ランチをここでやるよ.この2人の名前が揃っただけで,おすすめだってわかるよね.