タイラー・コーエン「パンデミック下の最低賃金法」(2020年10月24日)

[Tyler Cowen, “Minimum wage laws during a pandemic,” Marginal Revolution, October 24, 2020]

ブルームバーグの Michael Strain 記事から:

特定政党に偏らない議会予算局が2019年7月に公表した推定では,15ドルの最低賃金を定めた場合に130万の雇用が失われると言われていた.また,議会予算局は,こうした最低賃金引き上げは事業所得を減らし,消費者物価を引き上げ,経済を減速させると予想していた.

アメリカ経済は2021年も一貫して非常に低調となるだろう.アメリカは,事業所得を増やす必要があるのであって減らす必要はなく,雇用を増やす必要はあっても減らす必要はなく,経済成長を加速する必要はあっても減速させる必要はない.15ドル最低賃金は,あらゆる前線で経済を間違った方向に向かわせるだろう.

ぼくも全面的に同意だ.というか,ぼくならもっと踏み込む.Twitter で,〔最低賃金の引き上げはダメだという事業者らしき人たちに言及している〕ノアのツイートにこうリプライを送った:

当然,パンデミック下ではこうした事業者たちの言い分が正しくて,これまでの非パンデミック状況の研究文献はそれほど当てはまらないよね? ほぼあらゆるモデルから,一時的にせよ少なくとも小規模事業者の最低賃金を引き下げるべきだという結論が導かれるんだし.

なんであれおのぞみの風変わりな仮定を置いてみても,基本的モデルからは,2010年~21年の最適な最低賃金はより低いものだということが出てくる.同じく,少なくとも小規模事業者ではそうだ.これが,民主党の指導的な経済学者たちがバイデンに提示すべき助言だ.

Total
6
Shares
0 comments

コメントを残す

Related Posts