タイラー・コーエン「古いオーケストラ向けコンサートホールのほうが音が良いのはなぜ?」(2015年12月4日)

Tyler Cowen, “Why older halls for symphony orchestras sound better than new ones?“(Marginal Revolution, December 4, 2015)

ヴィトルト・リプチンスキーによると、それは大きさと形の問題だという。ウィーン楽友協会(1870年建設)、コンセルトヘボウ(1888年建設)やボストンシンフォニーホール(1900年建設)といった古いコンサートホールは〔長方形の〕シューボックス型になっている。オーケストラはホールの先端に位置し、「音は(約18-24メートル離れた)平行な2枚の壁と天井で反響して聴衆に届く。聴衆は演奏家たちに比較的近いところにいるため、空間は視覚的にも聴覚的にも親密だ」。

収入のためにより多くの座席が必要となり、それがコンサートホールに座席数を最大で3000まで膨張させ、ホールが良い音を響かせるのをより難しくした。とりわけ「ベース音を壁で反響させる」ことが難しくなった。

更に、異なったホールは異なった「残響」時間があり、ゆえにホールが違うタイプの音楽に使われるほどホールのデザインは妥協を招くことになる。理論的には、グレツキとバッハの演奏には別々のホールがあるべきだ。なので、多目的ホールが理想的な音を作り出すのは稀だろう。

これは彼の新しい本 Mysteries of the Malls and Other Essys(188-192ページ)の中にすべて書かれている。

Total
1
Shares

コメントを残す

Related Posts