タイラー・コーエン 「スイスでベーシックインカム導入?」(2013年10月5日)

●Tyler Cowen, “Will the Swiss vote in a guaranteed annual income?”(Marginal Revolution, October 5, 2013)/【訳者による追記】ちなみに、ベーシックインカムの導入の可否をめぐる国民投票は2016年6月5日に実施され、反対多数で否決されている


すべての成人を対象としたベーシックインカムの導入の可否をめぐり、スイスで国民投票(レファレンダム)が実施される運びとなった。金融危機以降の所得格差の拡大に抗う積極主義(activism)がスイス国民の間でさらにその勢いを増していることを示す証拠の一つと言えよう。

スイスに在住するすべての成人に対して、政府が無条件で毎月2500フラン(2800ドル) [1] 訳注;現在の為替レートで換算すると、日本円ではおよそ27万円 を支給する、というのが今回の提案の内容。国民に対して、金銭面でのセーフティーネットを提供することがその目的。

昨日の金曜日、今回の動きを主導した市民団体は、レファレンダムの実施に必要な有権者10万人分以上の署名を提出した後、ベルンにある連邦議会議事堂の前で、800万枚の5ラッペン硬貨 [2] 訳注;1スイスフラン=100ラッペン をばらまくパフォーマンスを行った。

夫婦あわせて年間およそ6万7千ドル [3] 訳注;(2800ドル×12カ月)×2人=67,200ドル。現在の為替レートで換算すると、日本円ではおよそ650万円 を超えるベーシックインカムを受け取る格好になるわけだ。そうなると、働かなくなっちゃうんじゃなかろうか。これだけの額を支給するというのは、実現可能性の面で難があるように思われる。

詳細はこちらを参照のこと。情報を寄せてくれたエヴァン・ソルタス(Evan Soltas)に感謝。

References

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1 訳注;現在の為替レートで換算すると、日本円ではおよそ27万円
2 訳注;1スイスフラン=100ラッペン
3 訳注;(2800ドル×12カ月)×2人=67,200ドル。現在の為替レートで換算すると、日本円ではおよそ650万円
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  1. 働かない人が増えるのは良いことである。有効求人倍率が上昇し、労働者は簡単に職を見つけることができるようになるし、給料は上がる。職場で働くのは労働意欲が高い労働者ばかりになるので、企業の業績も結局は向上する。働かなくても生活できるようになれば、犯罪者が減るので、警察官、裁判官、検事、弁護士へ高い報酬を払う回数も大幅に減る。

  2. カネの出所を知りたいな。これが通ったらスゴイな。でも1人5~6万くらいでいい。ぎりぎり食べていけるけど働く意欲も沸く金額で。

  3. 「そうなると単に働かなくなってしまうのではないだろうか」
    月5〜6万もらったからって働かなくなる人は、働かなくって結構。それだけで細々とやってくれればいい。そんな連中なんかごくわずかに過ぎない。
    大多数の人は、もっと欲しいから働く。
    だろ?

  4. 歯並び悪い低学歴は笑うな不気味

    大企業に入れない奴隷階級は介護でもしてろ

    海外で暮らしたこともない低学歴低納税乙

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