ダイアン・コイル 「物知りな経済学者の卵にお薦めの本」(2010年12月3日)

●Diane Coyle, “The Well-Read Young Economist”(The Enlightened Economist, December 3, 2010)


我が長男が(イギリスで大学進学希望者が学ぶ教育課程である)シックスフォーム課程で勉学に励んでいた時のことだ。ディナーパーティーや退屈な会議の合間に、友人や知り合いと一緒に戯れようと思って、(息子の役にも立つ)ちょっとしたゲームを考案したことがある。物知りな若者にお薦めの本を順番に挙げていく、というのがそれだ。ジャンルは問わない。フィクションでも、古典でも、ノンフィクションでも、何でもいい。読んで楽しい本。一読の価値ありと思うのであれば、冗長な内容であっても構わない。制約は一切なし。ゲームの評判はというと、上々だったようだ。会議に出席していた数名の知り合いから、理想的なリーディングリストを拵えるのがあまりにも楽しくて、会議に集中できなかった、と伝えられたほどだったのだ。

我が長男だが、今現在は大学2年生。大学では、政治と哲学と経済学を学んでいる最中。中でも、経済学に惹かれている模様。というわけで、先のゲームの内容をほんの少しだけ変えて、今回はネット民の力を借りることにしようと思う。ちなみに、我が長男は、一般向けの経済学書の類が大好き。とりわけ、ティム・ハーフォードの『The Undercover Economist』(邦訳『まっとうな経済学』)のファンだ。そんなわけで、(長男が既に読了済みの可能性が高い)一般向けの経済学書は除外することにして、経済学者を志す若者にお薦めの本を挙げよと問われたら、どう答えるだろうか?

なかなかの難問だ。というのも、現代経済学のコア(核心)の多くを知るには、学術誌に掲載されている論文を紐解く必要があるし、経済学者というのは文才のある学究とは言えないからだ。だがしかし、「読みやすさ」と「経済学のコアとはいかなるものかを窺い知れる」という条件はどうしても外せない。かような二つの条件を満たす本の中から、私なりに思い付くお薦めを挙げると、以下のようになるだろうか。

上のリストは、今朝方ふと頭をよぎった思い付きをまとめたに過ぎない。他にも候補はたくさんあるに違いない・・・ですよね?

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