ノア・スミス「Twitter 入り浸りは精神衛生に有害」(2024年3月9日)

ソーシャルメディア利用と精神衛生の悪化の相関を見出してる研究は山ほどある.でも,de Mello, Cheung, & Inzlicht によるこの研究こそが,ぼくにとっては真打ち登場って感じだ:

世間の論議では,よく,Twitter(現 X)がユーザーと社会に有害な影響を引き起こすと言われている.本稿では,合衆国の Twitter ユーザーたちの代表的標本から252人の参加者を得て調査を行うことで,この研究課題に取り組む.我々は,一日5回の質問を7日間にわたって継続した(6,218回の観察).調査結果から,Twitter 利用が幸福度の悪化および政治的二極化・怒り・帰属感覚の増加に関連していることが明らかになった.効果量は,社交的なやりとりが幸福度にもたらすものに近い.こうした影響は,人口統計上の特徴〔年齢や居住地域や就業状況など〕や性格特性を考慮しても一貫していた.データから推測される Twitter 利用法のあり方によって,結果も異なっていた:受動的な利用法はより低い幸福度と関連し,社交的な利用法はより高い帰属感覚と関連し,情報探索のための利用は怒りと関連していた.また,大半の影響はユーザー当人の変化に起因していた.

つまり,Twitter はみんなが思ってるとおりの憤慨マシーンだってことだね.Twitter は,一点を除いてオーウェルの「2分間憎悪の時間」そのものだ.ちがうのは,Twitter では自分が好きなだけ何分間でも憎悪を続けられるってところだ.あれやこれやに憤慨するのがどれほど愉快だとキミが思っていようと,キミの情動面の幸福にはよろしくない.

ぼくは仕事で Twitter にいなくちゃいけない.キミはそうでないことを願うよ.


[Noah Smith, “At least five things for your weekend (#30)“, March 9, 2024]
Total
0
Shares

コメントを残す

Related Posts