働きづめでも報われない国
日本からこんにちはこんにちは! 2週間の旅行でこっちにきてて,せっかくだから日本について何本か記事を書こうと思う.まずは,経済の話からはじめよう.
たいていの人たちが日本について最初に気づくのは,各地の都市がいかにすばらしいかってことだ.とりわけ東京は,現代の驚異だ.キレイに刈り込まれた木々に取り囲まれて,設計のしっかりしたぴかぴかのビル群がそびえたっている.レストランやお店や各種の娯楽は目眩がするほど数知れず,どれもこれもすばらしい.どこも混み合ってるけれど,それでいていつもなぜか静謐を感じさせる.そして,ほんの数分歩けば電車の駅にたどり着いて,そこからどこでも必要な場所に向かえる.他のどんな国もおよばない都市設計・計画の偉業を日本は達成している.それを支えているのは,異例なまでに平和で驚くほど創造的な文化だ.
でも,この夢の楽園みたいな外観の下で,日本全体はそれほど栄えていない.数十年にわたって,日本の実質賃金は下向きに漂流を続けている:
これが実際の生活にもたらしてるのはどんなことだろう? 日本の人たちは,静かな隠れた貧困に苦しんでいる.アメリカからやってきた観光客は,たいてい,こう考える――「日本人って,ほぼ全員,中流階級なんでしょ.」 なぜって,日本はきわめて平等な社会だっていうあれこれのステレオタイプにどっぷり浸かっているし,アメリカ人が貧困に結びつける目に見えるしるしがあまり見当たらないからだ.犯罪も,汚物も,朽ちた都市の様相も,日本ではあまり目につかない.でも,そういうステレオタイプは間違ってる.日本の所得格差は,豊かな国としては平均ていどで,日本の相対的貧困率はヨーロッパよりも高い(相対的貧困率は,所得中央値の 50% 以下にいる人たちの割合と定義される).
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