タイラー・コーエン 「日本における積雪との戦い」(2010年2月10日)

日本で開発された除雪ロボットは、雪を食べて氷のレンガを排泄(はいせつ)するらしい。

日本で開発された除雪ロボット――「ゆき太郎」――は、雪を食べて氷のレンガを排泄(はいせつ)するらしい。

「ゆき太郎」には、カメラだけでなく、GPS(全地球測位システム)も搭載されているそうだ。日本における除雪の取り組みの最前線については、こちらのページ〔日本語版はこちら〕で微に入り細を穿(うが)つ解説がなされている。一部を引用しておこう。

鉄道や道路の雪氷対策の一つとして考え出されたのが、除雪作業で集まった雪を河川まで水力輸送して捨てる「雪水圧送システム」である。その他には、路面に水を撒(ま)いて雪を融かす「散水消雪システム」もある。

地中熱を利用した融雪装置についての詳しい研究はこちら(pdf)を参照されたい。日本で積雪に対処するために利用されているその他のテクノロジーについては、こちら(pdf)で取り上げられている。最後に、(青森県)鶴田町在住のジャーナリストの現地報告 [1] 訳注:リンク切れを引用しておこう。

積雪に立ち向かうためのユニークな術(すべ)は他にも存在する。金属製の格子蓋――金属製だが、軽量――で覆われた「流雪溝」というのが商店街の道路脇にあって、その内側に水が流れている。格子蓋を開けて「流雪溝」という名の「川」に雪を投げ入れると、その雪が水と一緒に日本海の近くまで運び去られるのだ。場所によっては「消雪パイプ」が道路に埋め込まれていて――幸いなことに、私の家の近所にも埋め込まれている――、温水を路面に撒いてくれる。すると、雪もあっという間に融けてしまう。

それでもなお、雪が積もって、慎重に手入れされた庭木の繊細な枝が折れてしまうおそれがある。そこで編み出されたのが「冬囲い」だ。木製のカゴや竹製のテントで庭木を覆う(囲う)のだ。その見た目の何と奇怪なことか!

日本では雪がたくさん降るおかげで、シャベル(スコップ)の種類も驚くほど豊富だ。形も色々あるし、用途も様々だ。大抵はプラスチック製。大量の雪を運べる大型のシャベルもあれば、力の弱い人用に小型のシャベルもある。取っ手のあるシャベルもあれば、取っ手のないシャベルもある。ソリの形をしたシャベルもあって、大量の雪を遠くまで一気に押していくことができる。カチカチに固まった雪を叩き割るのに使える金属製のシャベルもある。

シャベルの色は、ネオンカラー(蛍光色)――緑色、黄色、紫色、オレンジ色、青色――のどれか。雪かきを楽しんでもらいたいというシャベルの製造メーカーのちょっとした計(はか)らいで、そうなっているんだろう。シャベルの値段は、5ドル~30ドル。大抵の家庭には、異なる種類のシャベルが少なくとも2つは常備されている。必要に応じて使い分けるためだ。

話は変わるが、日本と言えば、これ――ジェイク・シマブクロが演奏するボヘミアン・ラプソディ――も好きだ(突き詰めれば、日本絡みと言っても構わないだろう)。


〔原文:“The culture that is Japan, snow removal edition”(Marginal Revolution, February 10, 2010)〕

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1 訳注:リンク切れ
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