タイラー・コーエン 「ニューヨーク市に喫煙者が多いのはなぜ？」（2006年10月31日）

●Tyler Cowen, “Why do people in New York City smoke so much?”（Marginal Revolution, October 31, 2006）

ニューヨーク市に数時間ほど立ち寄ってきたのだが、行き交う人たちを眺めているうちに、前から不思議に思っていた疑問が再び頭をもたげてきた。マンハッタンでは、喫煙者が多い。（私が勤務するジョージ・メイソン大学がある）北バージニアと比べると、ずっと多い。それはなぜなのだろうか？　私なりに思い付く仮説をいくつか列挙してみるとしよう。

1. マンハッタンには、SNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）のヘビーユーザーが集まりやすい。SNSのヘビーユーザーには、喫煙者が多い。
2. マンハッタンでは、クールさをシグナルする（周りに誇示する）のが北バージニアにおけるよりも大事。
3. マンハッタンは、北バージニアよりも大気が汚染されている。それゆえ、タバコをさらにもう一本吸ったところで、健康への悪影響は取るに足りない。
4. マンハッタンは、北バージニアよりも気温が低い。寒いほどタバコを吸う楽しみが増す。
5. アーティストを気取っている。1番目および2番目の仮説と重なるところがある。
6. マンハッタンでの生活は、ストレスが溜まりやすい。タバコを吸ってストレスを解消しようとしている。
7. マンハッタンでタバコを吸っている喫煙者の多くは目立ちたがり屋（poseur）で、これといった人的資本を身に付けていない ^[1] 訳注；そのため、喫煙して健康を害したところで失うものがない、という意味。。

個人的には、2番目と7番目の仮説を推したいところだ。マンハッタンと北バージニアの喫煙以外の面での地域差となると、うまく説明できそうな理論は持ち合わせていない。