タイラー・コーエン「もし睡眠が商品化されたとしたら?」(2018年6月23日)

●Tyler Cowen, “What if sleep was a commodity?“(Marginal Revolution, June 23, 2018)


デーンからこんな電子メールが来た:

これは均衡理論型の仮想の問題で、貴兄にも考えて欲しいと思っています。

人の睡眠を(非腐敗財として)基本的に摩擦なしで収穫し売買することを可能にする技術があると想像してみてください。基本的に誰でも、ある機械の中で眠って、その時間/睡眠を収穫することができます。そしてその睡眠時間は、他の誰もが利用でき、自分では眠ることなく睡眠のあらゆる恩恵を即座に得ることができます。たぶん注射か飲み薬か何かで。

さらに、その技術は比較的資本集約的ではないか、少なくとも、あらゆる人類が潜在的な睡眠の供給者/買い手になれる程度に安いとしましょう。彼らを睡眠労働者および睡眠消費者と呼ぶことにします。

さらに、この技術はまったく「タダ」ではないとします。睡眠労働者や睡眠消費者の寿命は、暦時間上はまったく影響を受けません。むしろ、人々の間で労働時間のゼロサム的な移転が行われるのです。「徹夜で」働いている睡眠労働者(訳注:一日中寝てる人のこと)ですら、販売できる純睡眠は1日16時間でしかありません。それ以外の8時間は、自分自身の睡眠のニーズを満たす必要があります。

このような市場はどう進化するでしょう。社会はどう進化するでしょう。睡眠1時間の市場価格はいくらになるでしょう。睡眠労働や睡眠消費の規範はどう進化するでしょう。経済指標(GDP、生産性、不平等など)はどう進化するでしょう。意識のない人と競合するのはどの職でしょう。そして福祉国家はどう進化するでしょう。異時点間で貯蓄される睡眠量はどの程度になるでしょう。囚人は全刑期の睡眠の収穫を認められるべきでしょうか。それを認めるべきでしょうか。植物人間状態の人を睡眠収穫のためだけに利用することは倫理的でしょうか。などなど…

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