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タイラー・コーエン「心理テスト:『対人距離の維持は実にうまくいってる!』と思ってる?」(2020年4月17日)

[Tyler Cowen. “‘Social Distancing is Working so Well!‘” Marginal Revolution, April 17, 2020]

「対人距離の維持は実にうまくいってる!」って聞かされて,どう思う? ぼくはこれを一種の心理測定テストだと考えてる.

もしかしてこう思ってるだろうか:「いやあ,ありがたい,いまは悲劇的な状況ではあるけれど,みんながこうして共通の課題に向かって一丸になって犠牲を払ってるのは実にすばらしく高貴なことだ」――もしもそう思ってるなら……

…キミはテスト失格だ.少しばかり「気分先行・見解追随」じゃないかと思う.もしも,対人距離の維持のおかげでいまの状況が(一部の人たちにとっては)比較的に安全になっているのだとしたら,それは悪いニュースだと見てほぼ間違いなさそうだ.いずれかの時点で対人距離の維持を終わらせなくてはいけなくなるか,少なくとも大幅に取りやめなくてはいけなくなるのだから,いっそう大きな危険が再び生じるかもしれない.

ひょっとすると,来週にも治療法が出来上がるという内部情報を持ち合わせている〔ので対人距離の維持がうまくいってるのを喜んでいる〕のかもしれない.でも,それはなさそうだ.きっと,対人距離の維持のなにがしかを好ましく見ているから喜んでいるんだろう.

喜ぶのではなく,こういう反応もありうる――まず,「対人距離の維持は実にうまくいっている」と耳にした瞬間,悪い予感に震え上がる.そして,短期的なよい結果が長期的によい結果か悪い結果と相関しているかどうか計算に取りかかる.それから,政府の予算制約から対人距離の維持がどれくらい続けられるか計算して,対人距離の維持が続けられているあいだにどんな種類のことを進めておけるか詰めようと試みる.そして,対人距離の維持をぼくらがどれほど当てにしはじめているかを心配し始める……

…でも,そこからさらにすすめて,対人距離の維持がまもなく減少することで危険が増大すると,どうイノベーションに弾みがつく可能性があるか,二階の計算にとりかかり……

そして,こう考える――「もしもいまの進捗をもたらしたのがもっと持続しやすい要因だったとしたらマシじゃないか,だとしたらその候補はなんだろう? 均質でないスーパー・スプレッダーたちの比較的に小さな集団のなかで予想以上に急速に生じた集団免疫はどうだろう? じゃあ,その確率ってどれくらいだ?……

…そして,混乱しながら計算をおえる……

これで,キミもぼくと同類の変人だ.

ぼくらは心理測定テストの時代に暮らしてる.


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