アレックス・タバロック「AI に打ち壊される規範や制度は多数にのぼりそう」(2022年12月7日)

[Alex Tabarrok, “AI is going to break a lot of norms and institutions,” Marginal Revolution, December 7, 2022]

AI に打ち壊される規範や制度は多数にのぼりそうだ.予想される事態の一端を,Sam Hammond が書き連ねている

それどころか,今後10年で,ふつうの人たちができるようになることの範囲は,今日の CIA エージェントのそれを超えるだろう.ポテトチップの袋の振動から音声を読み取ることで,とおりの向かいにあるアパートで交わされてる会話を聞き取れるようになるだろう.自分の顔や声を他人のものにリアルタイムで置き換えて,人間関係の隙を突き,その人物のあれこれを探り出せるようになるだろう.ボットどもがキミのダイレクトメッセージに入り込んできて,キミと長く立ち入った会話を交わし,ちょうどいい頃合いを見計らってフィッシング詐欺リンクを送りつけてくるだろう.チェスポーカーのようなゲームは,ズルをしていないことを保証するために(いまのところ違法だけれど)RF信号ブロッカーを設置して裸で競われるようになるだろう.会話相手の AI がキミの微表情を読み取って,キミが言った「愛してる」は本気ではないと相手に教えてしまい,人間関係が壊れたりするだろう.クリック1回で瞬時にテイラー・スウィフトのアルバムが何千とおりも生成されるようになって,著作権はソドミー法〔オーラル/アナルセックスを禁止する法律〕なみに時代遅れのしろものになるだろう.新しい規制案へのパブリック・コメントに,当を得ていて独自な内容の投稿が何百万件も押し寄せて,法律上は個別に読んで返答しなくてはいけないと定められている規制当局はパンクを起こすだろう.おぞましい復讐の実現手段として,いまの無差別銃撃よりもカミカゼ攻撃ドローンによる殺人の方が上回るようになるだろう.その一方で,裁判所には山ほどの訴訟が押し寄せるだろう.スマホで完璧な申し立て申請ができるのに,わざわざ弁護士にお金を払う必要があるだろうか?

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