アレックス・タバロック 「そうだ、旅に出よう」(2005年7月3日)

●Alex Tabarrok, “Lunch Matters”(Marginal Revolution, July 3, 2005)


ブライアン・カプランと、タイラー・コーエンと、私。そんな3人組でランチをともにしていた時のことだ(先週の話)。「不滅」の体を手に入れたとしたら、どうする? そんな疑問が話題になった。「不滅」ってのは、具体的にどういうことだろうか? 死なないけれど、場合によっては(重罪を犯して)ずっと刑務所で暮らさなきゃならないケースを指してるんだろうか? それとも、ずっと若いままだけれど、運悪くトラックにひかれたりして命を落としてしまうかもしれないケースを指してるんだろうか? くどくどと議論に議論を重ねた挙句に、「不滅」というのは前者のケース(不死)を指している、ということで意見がまとまった。さて、それじゃあ、「不滅」の体を手に入れたとしたら、どうする? 「旅に出る回数を増やすだろうね」というのが私の回答。

しばらくして、別の疑問が持ち上がった。死期が間近に迫っている(残りわずかしか生きられない)のが判明したら、どうする? 「旅に出る回数を増やすだろうね」と再び私。クリック。ブーンブーン(何かが唸る音)。「計算不能、計算不能」。カプランとコーエンに指摘されるよりも前に、己の矛盾にはたと気付いた。寿命が本来よりも長くても、あるいは、その反対に短かくても、旅に出る回数を増やすつもりなのだとすれば、今の私に残された時間(余命)に照らして、これから旅に出ようなんてすべきじゃないと言える確率は、限りなくゼロに近いはずだ。

というわけで、ペルーに旅に出ることにした。マチュ・ピチュを一人で歩いて回るのだ。出発日は(3週間後の)7月25日。ランチ(の場での会話)ってのは大事だね。

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