スコット・サムナー「安倍政権の雇用面での奇跡と無意味な「景気後退」」(2020年2月19日)

[Scott Sumner, “Abe’s employment miracle and Japan’s meaningless ‘recessions’“, TheMoneyIllusion, February 19, 2020]

2013年のはじめに安倍が政権についたとき,驚愕するほど雇用がよくなるとは,ほぼ誰も予想していなかった(ぼくも含めて).それまでの20年間,就労年齢の雇用はだいたい 70% あたりをうろうろしていた.当時,専門家をつかまえて「これから2010年代の大半を日本は「景気後退」のなかで過ごすことになるよ」と言ったら冷たくあしらわれただろうけど,それに比べても,「これから雇用の奇跡が起こるよ」と言った場合の方がよほど冷たくあしらわれたことだろう:

ところが雇用の奇跡が起きた.雇用は就労年齢の 78% にまで急激に増えた:

さて,いまメディアでは,「日本がこの10年で4回目の景気後退に入りそうだ」という記事があちこちに出回っている(同じ期間,アメリカは一回も景気後退になっていない).ぼくに言えることと言えば,ほんとにこれが景気後退なら,もっとこういう景気後退をくれよってことだけだ.

PS: 急速に増えている65歳~74歳のあまり就労しない層を含めても,日本の雇用比は高まってきている:

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