Alex Tabarrok “Chimps Rock at Game Theory” (Marginal Revolution, June 6, 2014)
経済学では人間を合理的で、利己的で、光のごとく瞬時に計算を行う存在だと仮定している。私たちが常に口にするように、これは明らかに良くない仮定だ。その一方で、チンパンジーは合理的で、利己的で、光のごとく瞬時に計算を行う。これがコリン・カメラ―とその共著者の素晴らしい論文による結論だ。カメラ―は猫と鼠ゲームとも呼ばれるマッチング・ペニーゲームをいくつかチンパンジーにやらせた。猫と鼠ゲームでは各プレーヤーは左か右に行ける。猫と鼠が同じ戦略をとれば猫の勝ち、互いに異なる戦略を取れば鼠の勝ちだ。単純なバージョンにおいて最良の戦略は50:50、コインを投げて決めればいい。しかしながらゲームの配点が変われば、最適戦略は依然としてランダム化を行うものではあるものの、意外かつ不明瞭なものとなる [1] … Continue reading 。
チンパンジーは猫と鼠ゲームをとても上手にプレイする。第一に、チンパンジーはナッシュ均衡戦略に収束する。ある3種類の猫と鼠ゲームにおけるナッシュ均衡戦略は、それぞれ0.5, 0.75, 0.8の頻度でランダムに戦略を取ることだったが、チンパンジーはそれぞれ0.5, 0.73, 0.79でプレイした。第二に、ゲームの配点が変わると、チンパンジーはただ結果を観察するだけで非常に素早く戦略をそれに適応させた。
カメラ―らは同じようなゲームで人間もテストしたのだが、人間はしばしばナッシュ均衡からは逸脱し、ゲームの配点が変わった際に戦略を適応させるのも遅かった。すなわち、人間のほうが学習が遅いのだ!カメラ―らが唯一行わなかったのは、人間とチンパンジーを同じゲームで勝負させることだ。すごいことになっただろうに!
チンパンジーがどうやってこれらゲームを上手にプレイするかを知りたい場合は、以下のビデオを見てみるといい。チンパンジーが何をしているのかを見れば驚くに違いないよ。
http://youtu.be/A0-tuOQhSw8
References
↑1 | 訳注;唯一の最適戦略(支配戦略)が存在しない場合、最適戦略は各戦略を決められた割合でランダムにとることになる。2つの戦略の配点が同じならば当然頻度は50:50になるが、二つの戦略の配点が異なる(例えば、右を選択して勝つと1点だが、左を選択して勝てば2点など)場合にはその頻度が変わってくる(例えば、左を3分の1、右を3分の2の頻度でランダムに出す)。 |
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