●Tyler Cowen, “Dictionary of Received Ideas”(Marginal Revolution, July 9, 2010)
創刊されたばかりの雑誌である『The Point』(第2号、2010年冬)に、ジャスティン・エヴァンズ(Justin Evans)が特集記事を寄稿している。タイトルは、「紋切型辞典」(Dictionary of Received Ideas) [1] 訳注;このタイトルは、フローベールの同名の書からとられたもの。。アンブローズ・ビアスの『悪魔の辞典』と少し似ていて、今年に入ってこれまでに読んだ中で一番笑えた記事だ。一例を引用しておこう。
経済学:何もかもを余すところなく説明する学問
経済:まるで理解できない対象
次も好きだ。
債務:
i) 公的債務 [2] 訳注;政府が負う借金。 — 許しがたい過ち
民間債務 [3] 訳注;民間の経済主体(家計や企業)が負う借金。 — 景気を牽引する役割を果たすもの
ii) 公的債務 — 景気を牽引する役割を果たすもの
民間債務 — 公的な(社会的な)セーフティーネットに綻(ほころ)びが生じている証(あかし)
経済学絡みのネタがメイン(軸)というわけじゃないので、そこのところはご注意を。大半の雑誌――とりわけ、やたらとアートアートしてたり、衒学的だったりする雑誌――は、読んでいて退屈してしまうのだが、『The Point』を半分くらい読んだ感じでは好感触だ。定期購読を申し込もうかと思っている。
References
↑1 | 訳注;このタイトルは、フローベールの同名の書からとられたもの。 |
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↑2 | 訳注;政府が負う借金。 |
↑3 | 訳注;民間の経済主体(家計や企業)が負う借金。 |