タイラー・コーエン 「向上心やIQに個人差があるのはなぜ?」(2020年3月3日)

上位1%の富裕層は、向上心(勤勉さ)だったりIQだったりの個人差が生み出される原因を内的な要因――当人の「選択」(の積み重ね)だけでなく、先天的な要因(「遺伝子」)――に求める傾向が顕著らしい。
画像の出典:https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=22919564

〔富裕層は、人生で成功できるかどうかを左右する要因として、生まれ育った環境や運よりも、向上心(勤勉さ)や知性を重視しがちな傾向にあるが、〕向上心(勤勉さ)だったりIQだったりの個人差が生み出される原因を当人の「選択」(の積み重ね)だけでなく、先天的な要因(「遺伝子」)にも求める傾向が顕著だった――どちらかというと、先天的な要因(「遺伝子」)に帰しがちだった――のは、富裕層の中でも上位1%の富裕層だけだった。すなわち、上位1%は別として、それ以外の富裕層(上位20%のうち上位1%を除く富裕層)に関しては、他の層よりも「環境」説――向上心(勤勉さ)だったりIQだったりの個人差が「環境」要因(外的な要因)によって生み出される可能性――に冷ややかな傾向にあるとは言えないようなのだ。興味深いことに、一般層(所得下位80%層)の間では、向上心(勤勉さ)だったりIQだったりの個人差が生み出される原因を内的な要因(当人の「選択」/「遺伝子」)に求める意見よりも、「環境」要因に求める意見の方が優勢という結果になっている。

エリザベス・スーヘイ(Elizabeth Suhay)&マルコ・クラスンジャ(Marko Klašnja)&ゴンザロ・リベロ(Gonzalo Rivero)の三人の共著論文――ワーキングペーパー版はこちら(pdf)――より。


〔原文:“Maybe they are the ones who know?”(Marginal Revolution, March 3, 2020)〕

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