タイラー・コーエン「どうしてインド女性の労働参加率は下がっているんだろう?」(2022年8月20日)

[Tyler Cowen, “Why is female labor force participation declining in India?Marginal Revolution, August 20, 2022]

インド経済にとっても男女の関係にとっても屈指の問題として,こんなことがある.経済成長にともなって女性の労働が増えるどころが,その逆が起きているんだ.この論文は,ちょっとばかり古い (2014).でも,これまでのところ,ぼくが見つけたなかではいちばん系統的な分析をしている.

(…)本稿では,女性の労働参加率低下の根本的な原因に関する4つの主要仮説を分析する.本論文でえられた発見から,就労年齢女性の推定労働参加率が近年になって急激に低下している要因は多数あることが示される.そうした要因のなかには,進学率の上昇や世帯所得水準の向上のように,疑いなく急速な経済発展がよいかたちで反映されているものもある.さらに,各種の調査でとられた計測手法の変更にともなって,女性の推定労働参加率の低下に寄与している見込みが大きいという証拠が見出された.この寄与は,家庭内でのさまざまな務めと家業への貢献とを区別しにくいことに起因している.だが,重要な長期的問題として,インド女性にとって就労機会が不足している点が挙げられる.女性の就労機会の不足をもたらしているのは,〔性別によって就ける職業が限定される〕職業分離のような要因である.

著者は Steven Kapsos, Evangelia Bourmpoula, & Andrea Silberman で,論文全文はこちらDhanaraj & Mahambari によれば,働く女性の方が家庭内暴力の標的になりやすいのだという.これもまた,労働参加を妨げる要因だ.この話題について,みんなは他にどんなことを知ってるかな.

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