タイラー・コーエン 「死、トラウマ、神 ~戦場体験は信仰心にどんな影響を及ぼすか?~」(2018年9月6日)

●Tyler Cowen, “Death, Trauma and God: The Effect of Military Deployments on Religiosity”(Marginal Revolution, September 6, 2018)


「死」との折り合い方を学ぶのが、大勢の信者を集める宗教の教えの要(かなめ)となっている。しかしながら、生死の境をさまようようなトラウマ体験が信仰心に及ぼす影響については、ほとんど知られていない。本稿では、戦場体験という自然実験の機会を利用して、トラウマ体験が信仰心に及ぼす効果を推計する。戦場に兵士として赴(おもむ)くと、戦場から帰還した後に宗教行事に定期的に参加するようになったり、自宅で祈りを捧げるようになる可能性が大幅に高まる、というのが本稿で得られた結果である。その傾向は、徴兵されて従軍した25歳以下の兵士や戦場で負傷した兵士にとりわけ顕著である。戦場で肉体や心に傷を負ったり、戦地で従軍聖職者と出会ったことが、信仰心を高める一因として働いている可能性がある。

レズル・ヂェスール(Resul Cesur)&トラヴィス・フリードマン(Travis Freidman)&ジョゼフ・サビア(Joseph Sabia)の三人の共著論文より。

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