ノア・スミス「アメリカは日本で(そして韓国でも)軍艦をどんどん建造する必要がある」(2024年5月10日)

By Hunini – Own work, CC BY-SA 4.0

アメリカは,海軍の艦艇建造に大問題を抱えている.それに,商船の造船産業も大したことがない.いま,多くの人たちが,正当にもこの件頭を抱えている.というのも,この船舶建造能力の問題で,アメリカは中国との大規模な戦争に負けるという差し迫った危機に瀕してしまうからだ.

「じゃあ,どこが船舶をつくれるの?」 日本と韓国だ.どちらもいかにも小さそうなアジアの同盟国だけど,両者を合わせると,その造船産業は中国のそれとほぼ互角だ.さらに,商船の造船規模こそ韓国の方が大きいけれど,日本は複雑なハイテク海軍艦艇もつくれる.先だって,第二次世界大戦いらい初の空母を建造したばかりだ.

すると,単純な解決案が浮上してくる:アメリカ海軍の艦艇を日本で建造すればいい.そうすれば,短期的にアメリカの艦艇調達問題を解決する助けになる.それに,日本製品の需要を増やすことによって,進行中の円安を和らげる助けにもなるだろう〔日本語記事〕.それは,決定的に大事なときにアメリカの主要同盟国を弱めかねない為替市場の混乱を防ぐことになる.

こういう話をすると,あまりにもこざかしく大胆な発想による解決法めいて聞こえて,鈍重なアメリカ政府がやりそうにないと思われるかもしれない.でも,そんなことないんだよ.というか,いままさに,これをやる方法が模索されていたりする:

アメリカ大統領ジョー・バイデンと日本の岸田文雄首相は,双方の防衛産業どうしのより密接な協力の模索を進めることで合意する見通しだ(…)この協力は,日本の民間造船所でアメリカ海軍の艦艇を修理することに限定されない.将来の武器弾薬・航空機・船舶の共同開発・共同生産も視野に入れた協力関係が模索される.(…)アメリカは,日本の防衛産業ベースに日本を「統合する」ことに巨大な可能性を見出していると,[アメリカ政府の]当局者が語った(…).

日本の防衛産業ベースを活用するにあたって,最初に行われるのは船舶の修理だ(…).各種アセットの共同生産は,武器弾薬の生産から着手されると見込まれる.ウクライナとイスラエルの双方に提供しなくてはならない武器弾薬がアメリカには決定的に不足している.日本の防衛産業ベースとの武器弾薬の共同生産は,インド洋-太平洋の備蓄を再補充する助けになるだろう.

この取り組みを劇的なまでに加速する必要がある.大量のミサイルは言うまでもなく,アメリカ海軍の船舶と潜水艦も,できるだけ早期に日本の造船所で生産ラインから次々に送り出されるようになる必要がある.それに,韓国もこの協議に加わるべきだ.

もちろん,ここにはものすごい歴史の皮肉がある.第二次世界大戦でアメリカは日本を生産量で圧倒して勝利したんだものね.でも,時代は変わるし,経済や同盟関係も変わる.日本での艦艇建造は,防衛政策としてほぼ自明の一手だ.


訳者の註記: 著者がこういう話をしている前提についてはこちらを参照してください.


[Noah Smith, “The U.S. needs to build a bunch of warships in Japan (and Korea),” Noahpinion, May 10, 2024]
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